日々、雑雑と。

いろいろなことを垂れ流し

盗賊会社 - 星新一

盗賊会社 (新潮文庫)

星新一ショートショートは読んだことはあるが、盗賊会社は読んでことがなかったので購読。

盗み・会社にまつわるショートショート(超短い短編集)シリーズの一つ。たまに宇宙人モノもあったり、関係ない作品もあったりする。

感想

1話が6,7ページ程度の(稀に1ページで終わる)ショートショートのため、通勤時間中や食事後のちょっとした休憩中に、区切りを付けて読みやすかった。

内容であるが、どれもブラックユーモアに満ち溢れた面白い作品だった。

一番後味悪かったのが『善意の集積』というショートショートで、地球の盲目な少女が宇宙人に連れ去られ、宇宙人の善意で美しい姿になり、目も見えるようになったのだが、地球に戻ってみたら3日も経たずに自害してしまうという話。
あまりにも救われない話で、人によっては受け入れられないかもしれないが、個人的には、短時間でこんな鬱屈とした心境にさせてくれて、かつショートショートならではのさっぱりさがある良作だと思った。

映画「ペンギン・ハイウェイ」レビュー

penguin-highway.com

8/17(金)公開。前々からチラシで見て気になってたので、日比谷のTOHOシネマズで鑑賞。

原作は森見登美彦著の同タイトル小説から。

あらすじ

知性派小学生のアオヤマくんが、街に突如現れた大量のペンギンの発生理由、どこへ向かうのかを「ペンギン・ハイウェイ」というテーマで研究していく。すると、偶然ながら、歯科クリニックで働くお姉さんがこの現象に関わっていることを知るが、不思議な現象が次々と起こり、謎が更に深まっていく。

感想

原作者が森見登美彦だからか、劇中の言葉選びや表現がいちいち面白く捻られている。クレしん映画のようなギャグ描写が小刻みに入るため、コメディ好きなら決して飽きずに見続けられる。天丼もしっかりあり、どこでウケを取れるのかちゃんと考えられている印象だった。

人間描写は本当に丁寧。思想や言動の変化に違和感がなかった。あと、機械のような答弁をするアオヤマくんが時折見せる人間味が印象に残るし、お姉さんと触れ合いながら、より感情的になっていく所が良き。

話の構成に触れると、ペンギンが突然現れたり、突然消滅したり、ペンギンを捕食するジャバウォックが現れたり、巨大な水球が現れたり、不可解な事柄が増えて謎が深まっていくのだが、ちゃんとそれらを纏めて納得できる〆だった。

雑感

  • おっぱい
  • ペンギン可愛い
  • OPの管弦楽曲が素晴らしすぎる。不本意ながら泣きそうになった
  • ハマモト=サン愛おしい。今作で一番喜怒哀楽が激しい印象的な女の子だった
  • ウチダくん可愛い。池ポチャ三冠王
  • アオヤマくん可愛い。天才児はおっぱいに一途
  • アオヤマくん可愛い。1分間に5回以上もおっぱい連呼するの一途
  • スズキくんはジャイアニズムを発揮してて良い
  • 不思議お姉さん不思議だった
  • チェスで盛り上がる小学校あるの?
  • ペンギン可愛い
  • 中盤の挿入曲でオーケストラの管楽器が耳につんざめく音を出しててやや鬱陶しかった
  • どこが爆死なの?というレベルで面白い
  • EDは宇多田ヒカルだった
  • ペンギン可愛い

time.Timeのゼロ値はUnixtimeのゼロじゃない

time.Timeのゼロ値はUnixtimeのゼロではないことを知り、備忘録。

まとめ

以下のコードだと、tにはUnixtimeとしてのゼロは入らない。

t := time.Time{}
fmt.Println(t.UnixNano() == 0) // -> false

time.Unix()関数で2引数に0を指定すると、Unixtimeとしてのゼロが入る。

t := time.Unix(0, 0)
fmt.Println(t.UnixNano() == 0) // -> true

time.Time{}とtime.Unix(0,0)

time.Time{}とtime.Unix(0,0)で得られるそれぞれの時刻とUnixtimeを以下に纏めた。time.Timeのゼロ値は西暦基準で、Unixtime基準ではない。このゼロ値をUnixtime[ナノ秒]にすると、過去の時刻なので負数になる。

記述 出力
time.Unix(0, 0) 1970-01-01 00:00:00 +0000 UTC
time.Unix(0, 0).UnixNano() 0
time.Time{} 0001-01-01 00:00:00 +0000 UTC
time.Time{}.UnixNano() -6795364578871345152

サンプルコード:The Go Playground

リファレンス

改めてtimeパッケージの仕様を見たら、勿論ちゃんと記載されている。やはり仕様書はしっかり読むべき(自戒)

https://golang.org/pkg/time/#Time

The zero value of type Time is January 1, year 1, 00:00:00.000000000 UTC. As this time is unlikely to come up in practice, the IsZero method gives a simple way of detecting a time that has not been initialized explicitly.

人間失格 - 太宰治

www.100satsu.com

これのプレミアムカバー版のものを買った。総ページが150程度だったので、通勤時間中読んで計3時間程度で完読。内容は主人公の葉蔵の半生を自叙伝として綴ったもの。読むと、葉蔵が入水自殺を図ったり、酒に溺れたり、しまいには人間失格を悟って廃人になってしまう経緯が書かれている。

感想

太宰治作品を読んでこなかった者の感想としては、本編だけ読めば、主人公である葉蔵の転落の半生をストレートに見せつけられ、読んでて気持ちが浮かばれない作品で、正直、何故この小説が有名なのか理解し難かった。ただ、私が太宰治の生涯を知らなかったからこの感想だったんだと思う。解説(奥野健男)を読むと、太宰治自身は、似たようなエピソードの後、一種の諦観で小説家として再起して、有名な文学作品を数々残していくのだそうだ。そのため、メタな解釈にはなるが、太宰治≒葉蔵として見れば、この小説の本編が起承で、解説(その後の太宰治の話)が転結になっているように見える。それを踏まえると、本編が実は太宰治の自叙伝でもあるメタ要素への驚きと、葉蔵から太宰治に切り替わり、作家として復帰する救いがあり、メタ込みで面白い小説だと思える。

映画「詩季織々」が面白かった話

shikioriori.jp

なんとなくスマホで新作映画の情報を検索してたら、詩季織々という聞いたことないタイトルのアニメ映画を見つけ、新海誠リスペクトということらしいから、これは見なければと思った。

8月4日土曜、上映日にキネマ大森で鑑賞。大々的に宣伝してなかったのもあって、上映開始したときにはシアターには10人程度しかいなかった。

内容は中国製アニメ短編集で、それぞれタイトルは『陽だまりの朝食』、『小さなファッションショー』、『上海恋』。

『陽だまりの朝食』。主人公がビーフンを中心に、自身周辺の過去を振り返っていく話。主人公が話中で活躍するわけではなく、ナレーションしながら物事の成り行きをひたすらに傍観するような構成だったから、若干影薄かったなぁ、と。あと、ビーフンのアニメ描写が拘りまくっててるのは十二分伝わった。食材の絵とか調理のカットとか、湯気とか、観てて割とお腹空いた。

『小さなファッションショー』。有名なファッションモデルの主人公が、ライバルの出現に挫折し、仕立て屋の妹と奮闘する話。とにかく姉妹が可愛いし、性格が対比しているのも良い。マネージャがオカマなのは言わずもがな。

『上海恋』。昔のカセットテープから始まる過去の苦い思い出の話。
最後のオチはすれ違いすぎて「すれ違ってんなー!」と心中で叫んでた。主人公とヒロインがカセットテープで会話のやり取りをするのって、なんだかオシャンティ。あと、「君の名は」を意識してるような印象もあった。

統括すると、アニメで見る中国のヒューマンドラマな感じで、もっと話題になって欲しい良作だった。盛り上がりはそこまでなかったが、惹き込まれる魅力は十分にあった。

というわけでもっと流行れ。

「未来のミライ」レビュー

mirai-no-mirai.jp

7/20に公開されたので、当日観に行った。
ストーリーは、不思議な空間に何度も迷い込みながら、主人公のくんちゃんが成長しながらも家族の成り立ちを紐解いていくSFもの。

感想

年相応に我儘な鉄オタ4歳児くんちゃんが、現実とは違う場所で人と触れ合うことで、これまでとは違う意思を持つようになる成長描写が良かった。時折家族にもフォーカスをあてるのも良ポイント。
ただ、終盤が淡白すぎる。それぞれの話を収束できていない感。横に展開し過ぎたかな、という印象。
アニメーションそのものはかなり良い。細田守監督作品なだけあって、アニメ表現、特にキャラクターの動きに華があって、画そのものを観る分にはかなり面白い。

「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」レビュー

www.pokemon-movie.jp

感想

7/13に公開されたので、ゼラオラを拝みに鑑賞。
サブタイ通り、100分の上映時間内に6人のストーリーが並行して進行する。最初はバラバラだった主要人物達が、偶然出会ったり時に協力しながら、街に起きた大きな問題を解決するお話。
この映画、人とポケモンの絡みに加えて、人間描写を更に濃厚にしたような構成だから、ぶっちゃけポケモンに興味がない・知識がない大人でも観てて面白いと思う。
ポケモンサイドの話をすると、ゼラオラが若干空気になるレベルでウソッキーが活躍してた。ゼラオラの代わりにウソッキーを劇場内配布しても許されるんじゃないか?というぐらいの活躍っぷり。こういうの好き。
ゼラオラは劇中はほぼ怒り顔か真顔で、それはそれでかっこいいんだけど、たまに見せる笑顔がすごい素敵。バトルシーンは劇中一で迫力あって、ここぞとウーファー効いてたので良かった。
主要人物達の話はちゃんと纏まった一方で、バンギラスの件とか、背景や顛末を端折ったような場面も少なからずあって、重箱の隅を突きたい大人には若干もやもやが残るかもしれない。尺が短めだから仕方ないね。

細かい感想